時系列でだらだらコミケリポート その2

 

 また明日?

 挨拶回りを終えて自分のスペース (※1) へ戻る。最終チェックをしながらだらだら待つのだ。余りにもヒマなので辺りをぶらぶらしていると、人の列に道を遮られた。聞くところによると人気サークルには開場前から長蛇の列が並ぶというのだ。なんで開場前にそんなに人がいるのか、というと、ひとつは私のように人の手伝いで入場する場合。それから勿論出展者。それからえーと、よく分からないけどスタッフの……ごにょごにょ。

 裏ルートの存否はともかくとして、明らかに業者っぽい人がうろうろしているのは非常にイヤな感じであります。考えてみたら、ここで並んで売れ筋の本を買えるだけ購入して転売するだけでかなりの利益が出るのだ。うーん。大々的に流通させるわけにはいかないメディアならでは?

 というかそもそも著作権とかはどういう認識になっているのだろう。コミケ。消極的黙認状態? 誰か教えてください。(※2)

 

 そうこうするうちに午前10時。開場。恐ろしい人の波を想像していたのだが、意外にも人はぱらぱら。なんとここにも管理の目が行き届いており、入場のタイミングをずらしているそうである。すごいぞ。コミケ。

 しかし混乱しないのは人数が少ないからであって、皆が落ち着いているからではない。この時間に入場してくるというのは、つまり朝一番のやる気マンマン組だ。朝一番というか夜一番かもしれない。オフィシャルには徹夜は禁止らしいが。

 「走らないでください!」
 「走らないでー!」

 必死に抑制をはかるスタッフ。静止された人は走らなくなる。が、物凄い速度で歩く。スペースが近くなると我慢が利かなくなるのか、再度走り出してしまう人も。体を張って止めるスタッフ。たいへんな仕事だ。

 

 

 この日 まるで寝ていない状態であったことは既に書いた。じょじょに混乱もおさまり、のどかな雰囲気である。非常に眠い。

 「うろうろしてきていいですか」
 「いいですよ、もう仕事ありませんし」

 うろうろ。

 コミケ会場は西館と東館に分かれている。今いるのは西館。遠いところからざっと回ろうという考えのもと、まずは東館を目指すことにする。ちなみに西館と東館の間はかなり離れている。

 着いたころには人も随分増えてきていた。ここでイヤな予感に従って帰っていれば良かったのだ……。

 まずは創作エリアへ赴く。創作エリアというのは名の通りで、完全オリジナルな作品を展示しているエリアである。といっても私はどこになにがあるのか良く分かっていないので、そこで展示している人に聞いたのだが。なにせ会場のどこにも案内はないのだ。

 その調子で道を聞きながらうろうろ。

 「あ、ここは創作ですよ。え? ああ、創作っていうのはですね……。それで向こうのほうがですね……」
 と大変フレンドリーに応対してくれたのが1箇所。

 「ここですか。えーと、TV関連ですね」
 ごく普通に応対してくれたのが一箇所。

 「……はあ、ここは創作ですが……」
 何であなたはここにいるの? と言いたげなのが数箇所。

 どうも閉鎖的なものを感じてしまう。普通はサークルカタログという本を買って、それで調べながら回るらしい。コミケのルールがそうだというなら従うにやぶさかではないが、会場に簡単な案内があるだけでもかなり楽になるのだが。(※3)

 

 それから作品を見せる努力があまり感じられないのも気になった。とくに文章系は ぱっと見て判断することがなかなか出来ないので……無地の表紙をざっと並べられても欲しいという気にはなかなかなれない。カンで買おうにも量が多すぎてつらい。ぱらぱらと見てみるが、とくに惹かれるものには巡り合えなかった。

 はっと気付くと人が倍くらいに増えている。

 もう一度 Rin-45℃ さんの所に寄って、挨拶して戻ることにする。ところが人数が増えているのでなかなか前に進めない。というか、そのスペース周辺はジャンルのせいもあってか人が多い。RIN さんのスペースに着いたころには押し合いへしあい。まずいことになったなあと思いながら帰路だ。

 気付くと人は当初の5倍くらいに増えている。

 帰る最中によく分からないものに会う。訃報研究会。新聞の訃報欄だけを切り取って本に。こういう間接的なもののほうがぞっとします。

 それから、歩いているとコスプレをしてる人に出会うんですね。私てっきりコスプレは専用の場所でやるか、展示がわにしか居ないものだと思ってたんですが。エレベーターに乗ると隣が 「ピューと吹く! ジャガー」 のハマー。笑いをこらえるのに必死でした。

 ただ、やっぱり大部分がよくわからないキャラです。角を生やした保険医と翼を生やしたメイドが妙に多いのが気になりました。何これ。あと様々な色のセーラー服です。それから、目に入る女性はどうもレースフリフリ系のやら装飾華美なレザー系やらが多く、何かのコスプレなのか、そうでないのか?

 いろいろな意味で疲弊しつつ西館に戻って来ました。疲れすぎてスペースでうっかり睡眠。

 「コミケに手伝いに来て寝ちゃう人初めて見ました」

 またばっさりだ。

 

 用もないのにそのまま残っていると、まあお客さんが来るわけです。

 「どうぞ、ご覧になっていってください」

 これがなかなか……ぱらぱらと見て、そのまま黙って去ってしまう、あるいは気まずそうに去ってしまうのを見るのはつらかったです。妙に気を使ってしまいました。まあ、だからこそ買っていってくれる人にはより感謝できるわけですけど。

 そのままだらだらと残り、ファンの女性に囲まれて鼻の下を5Mくらい伸ばす友人の姿を目撃、その後帰りました。午後2時を過ぎると混むそうなので1時半くらいに会場を出ます。

 もう一生分の人は見ました。うそ。

 

※1 展示場所の通称としては「ブース」よりも「スペース」が正しい。 thanks 某友人。

※2 写真等は制限される場合もあるようだが、基本的に運営側は口を出さないらしい。著作権者であるメーカの側は、大きなところであれば「二次著作物に関する方針」のようなものを表明しているらしい。広告効果等を考え、歓迎するところも多いとか。 thanks 某友人 & monさん。

※3 各ホールにスタッフの常駐 しているインフォメーションブースが設置されているらしい。柱に配置図を貼りつけることもあるようだ。 thanks monさん。