冠詞の話 – I like a cat がなぜ間違いなのか

3月 23rd, 2009 by kiya Leave a reply »

いや、”I like a cat.”って言えるんじゃないの? 文法的にも間違っていないはずだし……うーん、そうなのか。じゃ、意味は? 「私は猫が好き」……そうか? いや、それなら、”I like cats.”だよね。なんで、”I like a cat.”じゃだめなのか。不定冠詞の総称的な用法っていうのがあったんじゃなかったっけ。

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結論から言うと、これは文法的には間違いではないが、冠詞の使い方が文脈にマッチしないので「私は猫が好き」の訳文としては不自然に聞こえる。

cats = 猫という一般名詞で表されるグループのこと
a cat = 上記のグループから無作為に抽出された「ある一匹の猫」のこと
the cat = 文脈上特定された「ある一匹の猫」のこと

I like cats.  は、いわゆる「猫好き」を表す。

I like the cat は、文脈上特定されたある一匹の猫を表す。たとえば友人と話している最中に、TV CMで出ていた猫の話題が出たとき一言、Oh, I like the cat.  (あー、おれその猫好きなんだよ) となる。その猫、文脈上あきらかにその1匹に特定される猫を表すときは、the cat でいい。サザエさんちのタマは the cat called “tama” だ。

これらに対し、a cat というのは、特定されてはいないが、1つであることを表す不定冠詞 + 名詞 という構造である。この用法はたとえば Would you like a coffee? (コーヒーを一杯いかがですか?) なんてときにみられる。ここでのコーヒーは特別な一杯ではなく、無作為に抽出した1つの cup of coffee なので、ここに the は使えない。友人を家に招いたとき、数時間前に淹れた冷え切ったコーヒーを 罰ゲームか何かで飲ませようとするときは Would you like the coffee? と言ってもいいが、間違いなく 「”その”コーヒーって、どのコーヒーのことだよおい!?」となる。

なわけで、I like a cat は「猫が好き」という文脈で解釈するなら、なぜか1匹の猫だけ好きなんだよ(でも誰でもない)という状態で、ちょっち怖い。無理やりイメージするなら、彼の幻想の世界に理想の猫が1匹いるような感じだろうか。「俺の理想の、尻尾はこういう感じで、毛並みは白で、目がパッチリしてて……ああ、そんな俺だけの猫ちゃんが好きだぁ!」 あるいは、猫は1匹である状態が好きなのであって、2匹以上いると手のひらを返したように嫌いになるような特殊な性癖をお持ちの御仁か。

like = ほしい と解釈するなら通じそうだがこれがナチュラルな表現かどうかは自信なし。誰か教えてください。 Would you like a cat (猫一匹欲しい?)  Yes, I do like a cat!(はいはい、チョー欲しい!(今時点ではどんな猫かはそんなにこだわらないよ!))

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4 comments

  1. kiya より:

    冠詞は日本語にない概念だから難しいですね。

    English Speaker がしゃべるときは、まず a か the か(もしくは無冠詞か)が決まって、その後に名詞を考える、という脳の働きをするらしいですよ。

  2. さつき より:

    would you like my cat?とか、someone’sみたいな展開はありえそうだけど、Would you like a cat?と聞かれたらつい”What cat?”って答えてしまうかも。文脈にもよるでしょうけど、ちょっと情報不足な感じがします。

    冠詞は英語の中でもかなり重要なファクターですよね。冠詞がaかtheかで文章の意味ががらっと変わってくるし。

  3. kiya より:

    a cat はやっぱり一匹なので、その一匹に特定することができるだけの文脈が必要でしょうね。

    「私は(一匹の)猫が好きだ、その猫とはこういうものだ云々~」

    ていうか a cat とか書いてるとmobっぽいとか思っちゃう私はダメですか。

    a bat とか。

  4. Awed より:

    おーこれは面白いですね。
    色々納得しました。
    Do you like a cat?なら自然な気もします。

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